有明渡り鳥紀行

2017年4月6日


泊まったホテルがあったのは天神から地下鉄で1駅の都心部だったので、朝になると周辺を西鉄バスがひっきりなしに走行。
福岡は西鉄バスのみならず、次々に発着する中長距離バスの量もハンパないので見ごたえがあります。



大量に発着するバスに対応してバス停にはLCDの発着案内も設置。
どの辺を走ってるかをリアルタイムで表示してくれるのでかなり便利。

・渡辺通一丁目・電気ビル共創館前→博多埠頭 7:46 西鉄バス 快速63系統 博多埠頭行き



バスを降りると目の前には博多ふ頭第2ターミナル。
福岡市内の離島から五島列島などの遠方の離島、さらに釜山行きのフェリーも発着するとあってターミナルも空港並みの2つ設置。
ここから海を挟んで対岸の海ノ中道方面へ渡船で渡ります。と思ってターミナルに入ると市営渡船は1タミからとのこと。



券売機で切符を購入。なんと券売機はICカード対応でした。当然ICOCAも利用可能。
市営渡船と聞いて大阪の渡船みたいなの想像してたら、予想外に立派な船でびっくり。一応湾外に出るしそりゃそうだ。

・博多港→西戸崎港 きんいん1 8:15 福岡市営渡船 志賀島行き



船内もなかなか豪華。西戸崎経由便でも志賀島まで30分ほどなことを考えるとなかなかのクオリティ。
通勤ラッシュと逆方向なのか乗客はまばら。

最高時速21.8kt(時速約40㎞)で博多湾を快走。
海面が近いこともあって割とスピード感はあるものの湾内なので揺れるわけでもなく、ボーっとしてたらすぐ西戸崎に到着。



港から駅までは歩いてすぐ。
駅に入ると4両編成の気動車が待機中。色も編成もごちゃ混ぜの40やら47やらがこんな大都市近郊で走ってるのも思えばそこそこ貴重かも。

・西戸崎→長者原 キハ40 2037 8:36 普通 宇美行き



博多湾に突き出た海ノ中道は志賀島と九州島を繋ぐ細長い砂州で、しばらくこんな感じの荒涼とした風景が続きます。
沿線の最狭部は500m未満ということで、温暖化が進んだら水没しちゃうんじゃないのかと思ったら、西戸崎~志賀島のあたりは細すぎて満潮時には水没するとか。
完全に地続きではないのね。

終点まで行って香椎線を乗り潰そうかとも思ったけど、時間がかかるので今回は途中で打ち切り。
ちなみに終点の宇美駅で接続する鉄道路線はないけど、意外と近い福岡空港方面行きのバスがそれなりの本数出てるらしいので乗りに行く時はそれを利用したい所。

・長者原→吉塚 クモハ817 1009 9:20 普通 博多行き



博多の1駅手前の吉塚駅は分岐する2路線のホームが並ぶ高架駅。
たまに博多止まりの特急の回送が通過したりとなんか既視感があるなあと思ったらまんま桑園。駅前にイオンはないけど。

・吉塚→千早 クモハ810 7 9:32 快速 門司港行き

これで九州の81X系統を2日間で全車種コンプリートしたとか喜んでましたが、降りるはずの箱崎を通過されてショック。
次どこ止まるのかと思ったら西鉄沿線の千早まで止まらないらしく、面倒になったので貝塚線の収益にちょっとだけ貢献することに。
仲悪いのか、どこもJRと地下鉄の駅同士が微妙に離れてて乗り換えにくいのが難点。



結局昼間にまた乗ることになった貝塚線。
こうやって見ると元は大牟田線系統で走ってた車両なのに、軌間が狭いせいかやたら小さく見えるような。

・千早→貝塚 656 9:45 普通 貝塚行き



福岡空港に降りる飛行機を見上げながら貝塚駅前にある貝塚交通公園へ。昨日前通った時気になったので乗り間違えついでに再訪。
公園内にはキューロクと20系が保存中。てかすごい雨降って来たし…



20系。窓越しに中が見れるのはともかく、割と傷んでるので大丈夫かいな?と思ったけど一応修復のための資金を集めてるらしく一安心。たまに塗り替えたりしてるみたいだし。
ネットで調べたらかいもん幕が掲出されてるとのことだったけど、いつの間にか急行幕に交換されてました。



公園内の別の場所にはデ・ハビランドのDH.114ヘロン(レジ番:JA6159)が保存(放置?)中。
この機種自体よく知らないけど相当ボロボロ。それもそのはずで調べたら1967年まで日本国内航空(→TDA→JAS→JAL)で運用されてた機体でした。
上空を通過する現役の飛行機と対比されてるのが印象的。



その現役の飛行機はかなりの低空飛行。屋根の下から250mmの望遠でも十分撮れるレベル。なので強い雨が過ぎるまでちょっと撮影。



機種も航空会社も豊富なので手軽に撮れて楽しいポイント。
晴れてたら親子連れが多そうだし、逆に雨で誰もいなくてラッキーだったということに。



フライトレーダーに何も表示されてないのに何か飛んできたと思ったら空自の輸送機が飛来。そういや福岡って自衛隊の基地も併設されてるのね。
雨が弱くなったタイミングで脱出。レーダーで見ると強い雨雲は去って、この後雨が上がりそうな雰囲気。

・貝塚→箱崎九大前 1108 10:42 普通 西新行き



九州大学箱崎キャンパス。大正時代の建造物が建ち並ぶこのキャンパスも2019年までに他地区へ完全移転するので、構内は建物の絶賛解体中。
ちょうどキャンパスの上を飛行機が低空飛行してるしこんなんで勉強できるのかと思ったけど、やっぱりきついものがあった模様。
実際米軍の偵察機が落ちたこともあるらしいし。



春休みなので誰もいない校舎内を歩いて建物の奥にある博物館へ。
本当に博物館があるのかと不安になるほど通路は雑然としてて本当に大学の校舎感丸出し(当然)
北大博物館と違って校舎の一角を一応博物館として開放してるだけのような雰囲気で、九大の空気を直に感じられます。



で、肝心の博物館は教室1つ分しかなく、興味ある内容じゃなかったので軽く流して退散。
休み中で誰もいないから良いけど、これ授業期間中だったら学生だらけで本当に大学の中に突入していく感じで逆に楽しいかも。



地下鉄の駅に戻ってさらに西へ。
冷静に見たら路線図が不穏な形。

・箱崎九大前→箱崎宮前 ? 11:21 普通 中洲川端行き



大量の臨時有人改札が並ぶ箱崎宮前駅。臨時改札のほうが広いという。



日本三大八幡宮の一つ、筥崎宮。
他の2つは大分の宇佐神宮に京都の石清水八幡宮と西寄りなラインナップ。

元寇の時に亀山上皇が敵国降伏を祈願したことから敵国降伏と書かれた扁額が飾られてて勇ましい雰囲気。
外国が目の前ですからね。



後ろをこんな感じで飛行機が降下。境内からは神門背景に飛ぶ飛行機を撮れます。
弱くなっていた雨もちょうど上がったので一安心。傘があるだけでカメラ出すのがかなり億劫になるので雨だけは勘弁してほしい。



九大病院キャンパス。その名の通り九大病院と医療系学部が併設されており、箱崎とは違って休み中でも活気に溢れてるキャンパス。
九大医学部と言えば夢野久作の『ドグラ・マグラ』の舞台でもあり、そのイメージしかなかったので敷地には近代的な病棟や校舎が建ち並んでて意外(偏見)



というわけで学食で昼食。
九大は麺類やサラダ、デザート系が充実しててなかなかナイス。値段は平均的な学食並みです。良かった。



病院キャンパスの最寄駅、馬出九大病院前駅。馬出で「まいだし」と読むこれまた難読地名。
福岡の地下鉄のホームにはクールルームが設置されており、夏になるとスポット冷房から冷風が吹き出す仕様(冬季はただの待合室)。
関西でも阪急ではホームに強力冷房が設置されてたりするけど、こういうのは夏になると本当にありがたいので各社とも導入してほしいです。

・馬出九大病院前→大濠公園 1104 12:44 普通 西新行き



福岡城跡。福岡の桜は既に満開。ちょうど桜まつりだかもやってて地元民だらけ。
広い敷地を持っていた福岡城には元々天守閣はなかったとされ、近隣の大濠公園や舞鶴公園も城跡の一部だったとか。



しばし桜をお楽しみください。



桜の季節だけ開放されてる天守台からの眺め。
向かいの大濠公園は村上龍の小説『半島を出よ』で名前を知ったのでそのイメージ。



奥に見える福岡ドームとヒルトン福岡シーホークホテル。これも半島を出よの舞台になってた場所。
ホテルは小説では北朝鮮の反乱軍によって占拠され軍の本部となるも、地元の不良の仕掛けた爆弾で爆破されて反乱軍もろとも壊滅。
個人的にお気に入りの小説です。

・大濠公園→中洲川端 2502 13:48 普通 福岡空港行き



中州にもほど近い中心部にある櫛田神社。山笠やくんちをやってる神社だと現地で初めて知った程度の認識。
「くしなだじんじゃ」と読むのかと思ってたら「くしだじんじゃ」で、現在は櫛名田姫を祀ってるわけでもないとのこと。



境内にあった山笠。
博多祇園山笠は行われるいわゆる「祇園祭」の一つで、毎年7/15の早朝には8つの山笠が5分おきにこの櫛田神社を出発し、博多の街へ走り出すというプログラム。
午前5時台(正確には4:59)から5分ヘッドでの運行とはなかなかの利便性。



櫛田神社の近くを歩いてたら西鉄バスの連接バスが。
福岡にも最近連接バスが導入されて博多港と博多駅の間を結んでるらしく、ちょうど教習中。
連接バス、乗ったことないし構造も気になるので乗ってみたいけどまだ導入してる会社が少なく、なかなか乗る機会がないのが難点。



地下鉄で福岡空港へ。帰るわけじゃないけど。

・祇園→福岡空港 1515 14:34 普通 福岡空港行き



発着回数は日本で3番目ともあって、国内線ターミナルに乗り入れてる航空会社の数もなかなか。
国内の航空会社がこれだけ揃ってる空港もなかなかないのでは。ソラシドがいないのは意外。



展望デッキに上がると同時にちょうどまた雨が降って来たのでガラスの陰に陣取ってなんとかしのぐ羽目に。
誘導路に目をやると、さすが福岡とあってSFJやスカイマークがゴロゴロ。

超高頻度で発着が行われている福岡空港は既に容量不足。現在は国内線ターミナルを後退させ、誘導路を1本増やす工事の途中。
さらに将来的には第2滑走路建設の計画もあり、最終的には新千歳みたいになる予定。



なもんでワイドボディ機もどんどん飛んできます。オリンピック仕様。



撮ってみたかったJTAが撮れて満足。なぜかJALじゃなくてJTAのロゴがお気に入り。
-400もあと何回見れるか。



回って来てフィリピンの321と南国並び。



大韓のA330。A330自体よく見ないと777と見分けがつかないのに大韓は777もA330も持ってるので一目で判別は困難。



さらにキャセイドラゴン。
よく知らなかったので最初キャセイパシフィックのスペマか何かだと思ってたけど子会社なんですね。



福岡が原点でもあるスカイマーク。1便は今でも早朝の羽田発福岡便に割り当てられて就航中。
福岡新千歳線なんてのもあるのでそのうち乗ってみたい所。



Peach。雨も激しくなってきたのでこれにて撤退。
高頻度な上に1本の滑走路に全部来るので40分ほどでもかなり充実。



展望デッキへの通路に貼ってあった写真。
ハーレクインエアのDC-10、スカイマークの767(旧塗装)、NALのフォッカー50、ジェイエアのジェットストリーム…

国内線ターミナルとは滑走路を挟んで反対側の国際線ターミナルも見に行こうと思ったけど、バスでわざわざ行くのが面倒なのでパスして博多へUターン。

・福岡空港→博多 1528 16:01 普通 筑前前原行き
・博多→中洲川端 1114 16:36 普通 筑前前原行き




駅からもほど近い中心街の商店街の中に現れるはかたや川端店で一杯290円の激安ラーメン。
噂には聞いてたけど値段が安いだけでなく味も普通にまともなのでびっくり。さすが博多。



303系。ドアチャイムのみならず側面まで209系みたいな不思議な車両。でもトイレはついてるんです。

・中洲川端→天神 クハ302 1 17:09 普通 筑前深江行き



というわけで、天神でウィンドウショッピング。まんだらけに入ったらメーテル(店員)がいてびっくりした。
天神はらしんばんにまんだらけにブックオフと一通り揃ってる便利な街。地下鉄やイオンもあって利便性が高く、すすきのみたいなナイスタウン。
でもポポンとぽちだけは博多駅前にあるので地下鉄の一日乗車券をフル活用して往復。



天神の地下街は縦横数百mほどで小規模。デザインはなかなかオシャレ。
実際の距離の割に、両端に地下鉄の駅があるので乗り換えの時に必ず歩かされて体感的にはもっとある印象。

南端にあるのが七隈線の天神南駅。
2005年に開業した七隈線は空港線とは駅の位置のみならず軌間も駆動方式も違い、こちらは鉄輪式リニアモーターカーの地下鉄。



ということで体験乗車。これまた大陸っぽいというかドバイとかの地下鉄みたいでかっこいい車両。

・天神南→橋本 3605 20:07 橋本行き

4両編成の車内は天神出発時点で数人の立ち客がいる程度で、あとは途中駅で乗客が減る一方。
車内の様子を見て分かる通り大赤字で、累積赤字の解消は2069年となかなか気が遠くなる数字。



車内の乗客がほとんどいなくなったころに終点橋本に到着。
せっかくなので地上に出てみると、駅前に高速とショッピングモールがある以外は薄暗い住宅街。

一応周辺はかなり広範囲に住宅街が広がっていて、元々鉄道空白地帯だったところに地下鉄を引いたものの、毎年当初の予測を大きく下回る利用状況。
2020年に博多まで延伸すると、博多~天神間をショートカットすることになるので便利そう。
あとはこれ以上工事中に事故が起きないのを祈るのみ。(今までに七隈線の工事区間で3回陥没事故が起きてる)



ATOで動いてる七隈線は先頭車には一応乗務員が乗ってるものの、最後尾の運転台は開放されてて侵入可能。
LCDもついてるし、後ろには壁があるので半個室みたいでなかなか良し(ただし足元が狭い)

・橋本→天神南 3115 20:45 天神南行き

橋本から姪浜に抜けるバスも一応あるらしいけど、本数が少ないし時間もなくなってきたのでそのまま引き返して体験乗車終了。



天神に戻ってバスターミナルを見学。
高速バス大国九州の中心となるターミナルとあって21時台でも次々にバスが発着。こうやって見ると株価みたい。



西鉄のホームを横目に見ながらビルの3階にあるターミナルへ。乗り場には売店やスタバ、更衣室もあって夜行バス利用客には嬉しい仕様。
大泉洋がはかた号乗り回してた頃とは車両もターミナルも格段に進化しててこれなら安心。



ターミナルを出てビル街を歩いてると不釣り合いな組み合わせの看板発見。



2軒目、博多ラーメン膳のラーメン(280円)。
個人的にはさっきのはかたやよりも好み。しっかり豚骨味でかなり美味いのに280円。神戸なら2倍取って来そうなモノ。

・天神→博多 1130 21:48 普通 福岡空港行き



最後は博多駅の屋上にある鉄道神社。
23時まで開いてるので見に行ったものの、暴風雨&暗すぎて失敗。



暗すぎて本殿までは足元に一直線に電気が設置。滑走路みたいでこれはこれでかっこいいので好きです。



ということで帰路へ。今回は珍しく夜行バス。ユタカライナーというちょっと安い会社を選択。
でも人権が欲しいので3列トイレ付の車両を希望。座席は指定できないけどこれで5800円なので大手より安くて有能、と言いたいところだけど西鉄と阪急はこの路線から3月31日で撤退したことで関西福岡間のバスから電鉄系が消えたことに。
まあ新幹線でもバリ得こだまなら7500円だしなあ…

・博多駅→神戸三宮 23:00 ユタカライナー1号車 京都駅行き D2

3分の1の確率で真ん中席になるので覚悟してたら本当に真ん中の席がヒット。
なもんで、GPSでしか現在位置を確認するぐらいしか楽しみはナシ。それもすぐ消灯されたので携帯使用禁止になって終了。

幸いシートピッチは大手並みに広いので快適性は高く、充電コードもあってなかなかのクオリティ。
おかげで最初の休憩(佐波川SA)を出たら完全に熟睡。睡眠時間は5時間/7時間半なので2/3は寝れたことに。



バスが止まってカーテンが開いたと思うとそこは三宮。
カーテンも全て閉まってたので全く外の状況が分からなかったので完全に浦島太郎状態。とはいえ寝れたおかげで目覚めは爽やか。
深夜発早朝着なら意外と真ん中席もアリかも。

この後無事に帰宅し、その後大学へ。
エクストリーム通学も考えたけどさすがに不潔なので断念。

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