ちゅうおう伊勢湾紀行

いつも使ってた京阪神ドリーム静岡は2階建て3列シートから1階建て4列シートに格下げされて、しかも時期的に大して安くない。
そこで、運転会行く途中で旅行してみるという試みを実行に移してみることに。
おかげで行程には面白みが出たけど、着替えが増えてかつ荷物を持ち歩ける量に圧縮しないといけないのが難点。

2017年8月10日
近鉄の株主優待券買い損ねて前日まで始発18券+名鉄で行くかとか色々悩んでたけど、結局プランを弄ってなんとか出発。
大量のスズメバチに襲われる夢見たせいで周りを飛んでる物体全てが危険に見えてきます。

・元町→尼崎 5610 6:11 直通特急 梅田行き
・尼崎→大阪難波 5625 6:45 快速急行 奈良行き




近鉄の駅から意外と近かったOCAT。全国各地へ高速バスが発着しており、早朝とあって夜行バスで到着した若者だらけ。トイレのドア開けたらおっさんが着替えてるし…

じゃあここからバスで名古屋まで向かうのかというと、そういう訳ではない。
元々帰りはプラレールひろばの片付けを手伝ってから掛川で泊まって、翌日(15日)は朝から天浜線と遠鉄を乗り潰しつつ龍潭寺でも見て帰る予定だったけど、無情にも天気予報は雨。しかも8/15は龍潭寺が休館日と来た。
こうなるともはや金出して浜松に行く意味がないので、押さえてたバスの切符を払い戻しに来たのである。早めに払い戻せば手数料100円で済むのが有能。

そんなわけで、無事払い戻しもできて予定より30分早い列車に乗れたし、多少松阪で観光できるかも?との期待を胸に再び近鉄に乗って旅を再開。

・大阪難波→大阪上本町 1252 7:17 普通 東花園行き



・大阪上本町→青山町 2429 7:31 急行 青山町行き

特急乗りたかったけど、乗っても大して短縮できないので(と節約のために)三重まで鈍行の旅を敢行。まあ最近こういうダラダラ電車に乗ることなかったし、たまにはいいでしょう。
上本町から乗ったので着席余裕だし。と思ったら鶴橋から行商の人が大量に乗って来て周囲がウニの箱だらけに。車内が一気に磯の香りに包まれます。

だんだんと山間に入り、順調に乗り換えて伊勢中川へ。

・青山町→伊勢中川 1254 8:58 普通 伊勢中川行き
・伊勢中川→桃園 2002 9:30 普通 四日市行き




で、飛び乗った賢島行きが今来た方向に進みだしたぞ???と思ってたら、短絡線が車窓に出現。どうやら間違えて同時に出発する名古屋方面への列車に乗ってしまった模様。
「台湾の次は『いせなかがわ』ですからね」とか言ってても始まらないので、次の桃園で降車してUターン。名前は聞いたことあったけどこんな長閑なところにあったとは。

名古屋発着の特急がバンバン通過する中。次の列車は15分後。大阪出発時点であった30分の余裕時分は消化され、このままだと松阪から先の予定がギリギリ。
この後松阪でJRに乗り換えて鳥羽へ向かい、フェリーで伊良湖へ渡り、そこからバスと列車で豊橋に行って色々見ようかと思ってたけど、急に面倒になったのでフェリーを2本遅らせて豊橋観光をキャンセルして松阪で遊ぶことに。
個人的に割といつも予定を細かく決める方なんですが、大体こうやって途中で面倒になって旅程が崩壊する。

・桃園→伊勢中川 1004 9:47 普通 伊勢中川行き
・伊勢中川→松阪 1267 9:56 普通 賢島行き




やっと来ました松阪駅。三重のJRの大きい駅ってどこもこんな感じで古い駅舎が残ってるような。

空は曇ってるけど雨が降るわけでもなく、むしろ日が照ってなくてちょうど良いくらい。ただかなり蒸し暑いので歩いてると辛い。
あと駅前の通り沿いのショーケースにめちゃくちゃ見覚えあるキハ82のプラレールが置いてあってびっくりした。



徒歩15分ほどで松阪城へ。木が生い茂っててスズメバチ出現への不安が高まります。
天守台は坂の上ということで、せっかくなので大汗かきながら登山。リュックは背中が蒸れて本当に夏に持ち歩くのに向いてない。



無事登頂。
何もありません。解散!



本命はこっち。城跡の中にある本居宣長記念館。とりあえず中に入るとめちゃくちゃ冷房が効いてて涼しい天国。

松阪生まれの国学者であり医者でもあった本居宣長は、解読不能になっていた古事記を35年の研究の末に解読。
そんなわけで東方的には小鈴のベースになってるだけでなく、阿求との関係もちゃんと裏付けがあるということに。

東方抜きにしてもリニューアルされて設備は新しいし、子供向けの解説があるおかげで分かりやすくて良かったです。
広くない館内ながら見ごたえもかなりあるし、普通に観光におすすめ。あとトイレが綺麗。でも尻拭いてる時に勝手に流れるどころが蓋まで閉まるのはやめてほしい。



記念館を出ると本居ハウス。
当然元は別の場所にあったのが後世になって城跡に移築されたもの。宣長が12歳から72歳で死ぬまで住んでた家で、中も上れます。



電気はさすがに通ってないけど、雰囲気的には今でも普通に生活できそうなレベルの家屋。
書斎である2階の鈴屋は入れないけど、当時の雰囲気は味わえるのでなかなか楽しい。



台所。鈴奈庵もこんな感じかなあと思ったけど、幻想郷の文明水準が明治+αなのを考えるともっと近代的になってそう。鈴奈庵は電気通ってるし。



城跡を出て本居宣長ノ宮。めっちゃ森の中でハチ危険警報鳴動中。



拝殿。参拝して境内をうろついてたら何かが10m先の地面の近くを飛んでたので、身構えてよく見ると丸っこかったので危険なハチではないと判断。
安心して横を通る時にもう一度見ると、正体は丸々と太ったスズメバチだったので、大慌てで回避。本当に勘弁してほしい。まともに境内見れてないし、冬にでもまた松阪来ましょう。鈴屋も覗き損ねたし。


松阪城の前の市役所で昼食。暑いのでざるそば。
大学食堂も好きだけど、こういう官公庁とかの食堂もちょっと楽しいです。

日が射してきて暑い中、駅まで徒歩でUターン。冷房の効いた待合室がありがたい。
というわけで、ここからは乗ったことない参宮線に乗ってみることに。

・松阪→鳥羽 キハ75 3 12:48 快速みえ7号 鳥羽行き



空いてる車内から長閑な風景を眺めてるとBGMは風の街(カズン)。
池の浦シーサイドを過ぎるといよいよ海が接近。噂の砂地で縦に伸びていく牡蠣が生えてるのを見つけたり、座礁して捨てられたボロボロのヨットが浅瀬で傾いてたりしてワクワクします。
鳥羽ってこんな楽しそうな場所だったのか。



鳥羽駅。外がまたさらに暑い。隣にいたしまかぜに飛び乗って逃げたくなります。普通に乗ってみたいし。

伊勢湾フェリーのターミナルは駅から歩いて10分ほど。近鉄でもう一駅乗ったら目の前に着くけど、海見たいし、時間もあるので歩いていくことに(自殺)
お茶もえらい勢いで減っていくので駅のファミマで交換。



横の水族館の駐車場と同化してるターミナルに上がり、豊橋までの交通機関の切符のセット券を買って乗り場へ行くとちょうど船が入港。
車はほぼ満杯。盆前だからかターミナルは家族連れでかなり賑わってました。

・鳥羽港→伊良湖港 鳥羽丸 14:10 伊勢湾フェリー 伊良湖港行き



船内はほぼ座席のみ。ターミナルは混んでると思ったけど、乗ってみるとそうでもない人数。
海も穏やかでゆったりとした揺れだけで快適。早起きだったので眠気が…



外に出てみると潮風が気持ち良くて船旅感が出て楽しい。まさか静岡行くのに船乗るとはねえ。
約53ミニッツの青い海をお楽しみください。



答志島などの志摩半島側の島の間を抜けたところで僚船知多丸とすれ違い。この日のダイヤではどの便も伊良湖と鳥羽を70分おきに同時出発するので、ちょうど中間地点で交差してることに。
所要時間は55分なので鳥羽丸と知多丸の2隻体制で回していた模様。

それにしても1時間以内で鳥羽から一気に愛知県東部へ短絡できると考えると凄い。それもそのはず、鳥羽~伊良湖は直線距離にして20kmもない。



神島。地理的には渥美半島の方が近いけどここまでが三重県鳥羽市。鳥羽から1日4往復の市営渡船が出てる離島。こういうのも是非いつか行ってみたいところ。
どうでもいいけど鳥羽から神島までの航路上にストリートビューが実装されててびっくり。



渥美半島が見えてきましたなぁ。



港にはもうお仲間が。というか待ってる車がみんなマリンスポーツの用具を積んでるのはさすが。



バスまで時間があるので、船を降りて伊良湖岬の先端へ。
普通に漁師のおばちゃんたちが車の陰で弁当食べてたりして長閑。とか思ってたら、遊歩道に打ち上げられて腐敗したエイがものすごい異臭放ってて死。



愛知の先っぽ、伊良湖岬灯台。なんかムーミンとかに出てきそうな灯台。
さすがに岬の先端ともなると波もそこそこあって潮騒が心地よいです。例によって暑い中海辺で休憩。
とか思ってしばらく座ってたら、スズメバチが近傍を通過したので慌てて撤退。これだから夏は…



途中数匹のぶんぶぶと遭遇しながらもターミナルに生還。あんな海沿いに生えてそうな木でも蜂の巣はできるんだな(当然)
バスまではまだ25分ほど。道の駅も併設されたターミナルに逃げ込みます。海辺なのに本当に暑すぎる。



島崎藤村の「椰子の実」の舞台になったということで、毎年名も知らぬ遠き島(石垣島)からヤシの実を流してるらしい。
実際に伊良湖に流れ着くこともあるけど、実際には結構年によって流れ着く地域がバラバラで、日本海側や神戸に流れ着いたこともあるらしい。
な~も~し~~~ら~~ぬ~~~遠きし~~まよ~り~~(ムンクさん片手に)


やらなかったけど電車でGO発見。個人的には横のランディングギアの方が気になったけど時間なくて断念。
フライトシュミレーションゲームも電車でGOみたいに現代風にリメイクしたのが出たら楽しいと思います。

・伊良湖岬→田原駅前 16:03 豊鉄バス 126系統 渥美病院行き

乗った来た船に接続するバスは50分待ちということもあって乗客は私一人。どうも自家用車利用がほとんどの模様。



豊橋鉄道の終点、三河田原駅まで50分ほど。途中で地元の子供2人組と高校生1人以外は乗降がなくて寂しい雰囲気。
元々渥美線が伊良湖まで延伸し、その暁には国鉄線になるはずだったけど、この状況だと完成してても…といった雰囲気。もし伊良湖まで開通してたら2両の313系が往復するだけの長閑な路線になってたでしょう。



海辺を走るバス。途中の道は狭い所も多く、集落の中で田原から来たバスとすれ違うのも一苦労。
延伸区間の路盤は田原近郊では既に出来上がっているということで探してみたけどよく分からず。バス道は結構ぐにゃぐにゃなので、もっと直線的に半島を貫いてたのかも。



結局誰も他に乗客がいない状態で三河田原駅に到着。周辺の街といっしょに最近改築されてよさそうな駅舎に。
でも外が黒いせいか冷房の入ってないトイレに入ったら猛烈に熱かったのは勘弁してほしいです。



初乗車の豊鉄で豊橋へ。地味に発車票もフルカラーLEDになってて近代的。まるでこの車両の故郷の東急に乗りに来たかのよう。

・三河田原→新豊橋 1813 17:02 普通 新豊橋行き

よく見ると3両編成の中間車は先頭車を封じ込めたやつ。
この路線も割と空いてたけど、豊橋が近づいてくると沿線に大学があるので学生で満員に。



1日かけてなんとか豊橋に到着。豊鉄は車両がカラフルなのが楽しい。
昼過ぎに着くはずが結局夕方になってしまったので、観光はせずに路面電車だけ乗りに行くことに。というか腹減った。



駅前から市内線に乗り換えます。なんかいたし。
1日乗車券を買えば400円で乗り放題なので一気に乗り潰します。先に潰しておけば後々来た時に楽だし。

・駅前→赤岩口 787 17:45 赤岩口行き

豊鉄の市内線、80年代に入ってからも路線が延伸されたり、名鉄の中古車がゴロゴロ走ってたりとなかなか楽しいです。名鉄の車両が来てるの知らなくて最初見覚えのある顔がいてびっくりした。



割と混んでるので立って外眺めてたら終点に到着。
この県道4号線をまっすぐ進んで奥の山を越えると静岡県に入り、数kmで天浜線の知波田駅付近に到達します。バスとかがあれば面白かったけど、県境を越える公共交通機関はないので短絡は困難。

乗って来たハコに再び乗って一駅戻って、南へ分岐してる路線へ。

・赤岩口→井原 787 18:10 駅前行き



井原電停で運動公園前方面への線路が分岐。単線なので豊橋駅、赤岩口、運動公園前各方面へのホームがそれぞれ分かれてて目の前で電車が行ってしまったのでちょっと待機。
写真左奥の豊橋駅方面行きのホームから歩いてきたので気付かなかったけど、こうやって見るとものすごい急カーブだなと思ったら半径11mの日本一急なカーブらしく納得。。
片側1車線の道路同士を結ぶわけだからそりゃ急な訳です。



電車が通るとこの通り。台車から車体が思いっきりはみ出してて正に模型のよう。
実際に見てると割と飛ばしてくるので、本当に外側に大きく傾きながら通過して怖いです。

・井原→運動公園前 3503 18:24 運動公園前行き



一駅で運動公園前。これで豊橋鉄道は全線完乗。
井原で先に通過して行ったビール電車が停まってたけど、あのカーブだと机の上の皿が吹っ飛びそう。実際はどんなもんなのかが気になるところ。
でも腹が減ったのでとりあえず目の前にあったすき家にin。

・運動公園前→駅前 782 18:57 駅前行き

らしんばん行って、特に用はないけどメロン入ったら夏コミ直前とあって棚がガラガラで物流が止まった世界みたいだったのが面白かったです。明日は天空璋頒布だしねえ。結局体験版も見れないまま製品版頒布を迎えてしまったけど…

ホテルに戻ったら近くのスーパーは閉店してたり、すごい人数の中国人団体客にチェックインを阻まれたりしたけど、部屋は安い割に普通だったので安心。
中国人観光客、よく見ると顔が明らかにモンゴル系だったり朝鮮族っぽかったりして広大な中国の大地を感じられます。エレベーターでも先に出てドアを開けることでジャパニーズおもてなしを体現することに成功。
部屋に張られている日本語表記より多い中国語に囲まれながら就寝。

ということで、紀行はここまで。翌日以降はこちら(ブログ)に続きます。

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