北海道秋風紀行

夏の終わりは友人たち4人でと6日間(実質120時間)の北海道爆走ツアー。
安いレンタカーと航空券を4月中に押さえてたし、ドライバーは足慣らしも済んでるので秋の北海道いえーと意気揚々で飛んだものの、やっぱり今回も試された。しかもえらいことになった…

2017年9月12日
正直仙台からの帰りの飛行機の機内の時点で喉に違和感はあったからキットカットが変なところに入ったかと思ってたけど(よくやらかす)、翌朝起きたら喉が痛いからこりゃ寒さにやられたなと早寝早起きを心掛けたものの、3日経っても治らないどころが唾を飲むだけで痛いので洗面所で見たら右の扁桃腺がもっこり。
どう見ても扁桃炎なので寝込んだまま土日をやり過ごし、耳鼻科で扁桃炎との診断を貰ったのが出発の前日。しかも結構重いとか言われるし…

山田「明日から出掛けるんですけど薬飲めば大丈夫ですかね?」
医師「それは疲れるような用事ですか?」
山田「疲れることは(大有りです)ないかと」
医師「まあじゃあ薬ちゃんと飲んで安静にしてれば大丈夫でしょう」

治りが早くなる点滴もあるけど行っとくか?と言われたので、一発ブスっとドーピング。プラス貰った薬で一気に痛みを押さえ込んでギリギリ出発までに最低限の体制は確立。
北海道行くと何かしら起きるので台風が来るとかそういうのは想定してたけど今度は病魔に侵されるとは。あとはもういよいよ大噴火とか紛争が起きるぐらいしかないぞ???と思ったけど、今ならどっちもあり得るわ…不穏

・三宮→神戸空港 2205 10:20 神戸空港行き



そんなわけで、今週もここから旅は始まりますよぉ。今日も天気は全国的に雨模様。
友人一人が渋滞に巻き込まれてギリギリになるかもと連絡貰ったけど、まあまだ時間はあるし大丈夫でしょう。ね、もう間に合わないと。困るから。



AirDoが飛んでいくのを眺めてたら乗る機材が鹿児島から飛来。同時に友人も到着。
いつもは見るだけのAirDoだけど今回は帰りに初めて乗るので楽しみ。とりあえず行きはスカイマークでさっさと飛びましょう。今回もいま得で5500円。

・神戸空港→新千歳空港 JA73NP 12:15 SKY173便 新千歳空港行き 9A



うっかりA席取ったから日本海しか見えんと思ったけど、基本雲海だったのであんまり関係なかった模様。
最近はすっかり涼しくなってきたと思ったけど、海上には積雲が湧いてて夏な風景。誰かと一緒に飛行機乗るのってすごい久しぶりだねえ…てか前もこの人達いたんじゃねーか。



札幌線はコーヒーも出るので甘い物+苦い物でうまうま。でも砂糖もミルクも全部ぶち込みます。ぼかぁもう甘い物大好きだから。
昼のフライトだけどさっきサンドイッチを半分食べただけで昼ご飯は買ってないので薬を飲むタイミングがずれまくる。不安。



歩けそうな雲の谷間。下界が見えなくてもこういう風景が見れるので空の旅は飽きませんね。スカイルーインとかがぴったり(※ルーイン=破滅する)

北海道も雲が厚くて、津軽海峡渡ったらすぐ雲の中へ。でもそんなに揺さぶられず。
直前まで地上見えなかったしすごい雲低かったけど降りれてよかった。滑走路見えないからってしばらくグルグルは勘弁です。



リバースで水煙が上がるところを見れて楽しんでたらオープンスポットにin。しかも大雨。この空港いつも雨降ってんな。
急いでるわけでもないので最後の方で降りたら既に寒い。9月の北海道とはいえ、昼間で16度とは去年とは大違い。

降りるのを待ってる間にツイッター開いたら、家の近所で銃撃事件が起きたのと大陸へ向かってた台風が週末日本に戻ってくるというニュースが。この時点ではどっちも他人事(注:前者は今も他人事)。後々自分たちにモロに降りかかってくるとは考えもしなかった…



ターミナルから出てる送迎バスでレンタカー屋へ。いつも降機したらさっさと電車に乗るから知らなかったけど、こうやって見ると各方面からどんどんバスが来て色んな国籍の人間が乗り降りしてるので国際空港っぽくてワクワクしますね。

バスで南千歳よりさらに南まで連れて行かれ、レンタカー屋街で予約してたFITをGet。
どこ行くかとかも全く決めてなかったけど、ニセコと道東行きたい人がいるのでとりあえず西から攻めることに。ってか苫小牧方面行くのになんで北上してんだ???

高速に接続する高規格な337号線を適当なランプで離脱してそのまま36号線を南下。
苫小牧方面から新千歳空港に進入する飛行機から見ると空港周辺は結構山が続いてるのが見えるけど、地上から見ると更に延々森で幹線道路沿いとは思え大自然です。道自体は札幌から苫小牧を結ぶ北海道の要ということで広いし交通量も多いけど、一歩道路を外れるとまだまだ広大な自然が残ってるのはさすが北の大地。



森と沼の間を抜けて苫小牧の市街地へ。すき家もあるしブックオフもイオンもあるし、千歳以来の何でもある都市。
もう15時過ぎで腹が減った(のと薬を飲みたい)ので周囲に爆臭を放つ北海道名物山岡家で給油。関西にもちょっとだけあるけど遠いからなかなか行けないですからね。いつの間にか岸和田店潰れてるし。

山岡家といえばやっぱ特製味噌。これには全員満足してもらえたようでよかったよかった。



何の計画もなく走っても函館に着いてしまうので、今日は洞爺湖を見てからニセコに向かうという方向に決定。苫小牧からだとR276→R453→洞爺湖温泉→R230→真狩→ニセコという流れらしい。といわれても、どこ走るんだかサッパリ。地図で示すと上のような感じ。

苫小牧の市街地を抜けると再び延々森の中の道路に。そしてシカ(隠語)は現れた。以下お察し下さい。



で、北海道のスケールがデカすぎる上に風景がずっと森の中で変わり映えしないから1時間もすれば飽きてくる。
北海道に降り立ってから3時間も経ってないのにシカ(隠語)の登場もあって車内の雰囲気もダレてきて、いよいよ不毛な人名しりとりしかすることがありません。支笏湖も木に隠れて見えないし。

どんどん奥に分け入っていくとなだからな地形に畑というテンプレ的北海道風景が出現。でも思ったより植生に本州との違いがないということを発見。これも飽きる要因の一つ。
唯一北海道してるのは気温。てかまだ9月前半なのに寒すぎないです?もう15度以下なんですか?



突然現れた赤土の塊のような昭和新山。
畑だった大地が突然隆起して噴火したのは1944年。本当に人間が普通に暮らしていたところがいきなり火山になったというから恐ろしいです。
平成の有珠山噴火でも国道が寸断されたりしたわけだし、人間の生活圏と火山が近すぎる場所。こんな近い所って世界でもそうそうなさそう。



駐車場で今回お世話になることになった青のFITを撮影。車の写真は被写界深度が浅いほどかっこいい気がします。
そういえばいつもこのクラスの車を借りるけど色付きのは初めて。FIT、なかなか快適だし、ウォークマンもイヤホンジャックで繋げれるし遊べます。



すっかり暗くなったころに有珠山へ。
目当ては2000年の噴火で国道230号線がボコボコになってる所だったけど、検索しても詳細な位置が把握できず彷徨ってるうちに2000年の噴火の際に噴煙を上げた金毘羅山火口に到着。
駐車は1台1000円って書いてあるけど誰もいないし、車は入れないけど人間の通行を妨げる柵はないしで、車は下に停めてもらって友人と2人で探索開始。

やっと見えた火口は暗すぎて肉眼でもぼんやり火口が見える程度。それでも水が溜まってるのが見えて、周囲は恐ろしく静か。



展望台から見えた洞爺湖温泉の夜景。これだけでも真っ暗な山の上からだとめちゃくちゃ心強い文明の光。
対岸にもわずかな光が見えるだけで本当に暗い。これが北の大地です。

用が済んだらさっさと退散。余りに人間の気配を感じられないので熊が出るんじゃないかとヒヤヒヤものです。バッハッ!焦ラッセーラッセーラッセーラッセーラ!(ヒグマ避けの歌)



日もとっぷり暮れ、真狩経由でニセコへ。藍色の空が真っ黒になり、周囲は畑なので人類の文明は感じられるものの、街灯がない上に人家は恐ろしくまばらでめちゃくちゃ暗いです。
一回車止めて電気消してみたら辺り一面の闇と虫の声に包まれて逆に感動。こう暗いと北海道特有の道路の上に生えてる矢印だけが反射しながら道を示してくれるようになります。開発局頑張れ。

真っ暗闇の大地を抜けて、ニセコの市街地に着いたのは20時前。
ところで、今回の参加者は全員恵まれないアジアの子供達のため、宿泊する回数をなるべく減らして節約すべく寝袋を持ってきている。これを使うことで運転手優先で2人は宿泊、2人は車中泊を毎日交代しながら繰り返して1人当たり2~3泊の料金を出すだけで全員が十分な睡眠を取れるという計算だ。荷物が増えても追加料金がかからないLCC不使用からこそできる芸当。
しかしそのシフトを組む上で障害になったのは私の扁桃炎。キャンプでもして扁桃炎がぶり返すようなことが起きれば今後の予定の崩壊は免れない。
そんなわけでできるだけ宿に泊まりたいので、札幌や小樽などの安い宿でも…と調べたらやたら高い。
都市部以外で安い宿があるとは思えないし、いよいよカラオケ泊か?小樽にスリラーカラオケなんてのがありますなぁとか相談しながら、期待せずに念のためニセコ周辺の宿も検索したら1人4500円×4人で泊まれるよさそう温泉宿を発見。一瞬にして全員の気持ちが温泉に向いた。スリラーカラオケだぁ?いらないんだよそんな物ぉ(cv.大泉洋)

そして同時にこの瞬間、2人ずつ宿泊するという完璧な節約プランは放棄され、同時に寝袋がタダのお荷物になった…
ちなみに宿に直接電話して聞いたらさらに安くなりました。何と素晴らしい街。



途中ナチュラルに右側通行で走り出したりして身の危険を感じたりしながらも市街地を抜け、再び真っ暗な何もない森の中の道を延々登って行くと、本日のお宿であるニセコワイスホテルに到着です。本州の山奥のラブホよりも絶対山奥だと思う。
なんかやたら駐車場にハイエース泊まってるけどもしかしてどかちゃん専用旅館か?
(※どかちゃん=土木作業員)



普通に綺麗で良い部屋でした。めっちゃ綺麗だし和室だし、ないのはwifiと冷房ぐらい。でも扇風機はあります。



セコマで買ってきた食料で早速北海道満喫晩餐会。108円ミートスパに128円ザンギ、美味い!かなり美味い。サーモンと芋のバジルサラダがめっちゃ美味しいのでオススメです。

露天風呂に入ると聞こえてくるのは湯が流れる音だけ。空を見上げると曇ってるはずなのに真っ黒。それもそのはず、直近の都市である小樽、札幌、室蘭は共にニセコからは山を隔てて数十km先です。
ニセコって小樽のちょっと先みたいなイメージだったんですけど、地図で見たら実際には神戸~大津間と同じぐらい離れてる秘境でした。しかし雨まで降ってるのにこう空が真っ黒だと逆に何とも言えない不安に襲われる現代人。

風呂上りに買ってきたドリンク持って屋上の展望デッキに行ってみたら湧いてきた霧で辺り一面灰色。しかも寒くてすぐ撤収。
北海道の中でもまだ西側でそんなに寒いイメージがなかったニセコの時点で既に寒く、これから行きたいと思ってる道東の気候への不安は高まるばかりです。
とはいえ部屋は暖かいし快適。結局1時まで窓際に座って余った酒を消化しながらダラダラしてたのであった…安静とは程遠い生活。

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