諏訪南紀神渡紀行

5年ぶりに御神渡りが出現した諏訪湖。神が歩かれた御神渡りを目にすべく、山田は諏訪へ飛んだのであった…
と言いたいところですが、飛行機乗りたい+乗り鉄旅したい+諏訪行きたいという要望を詰め込んで年末から計画してました。よって御神渡りを見れたのは偶然。なんというタイミング。

タイトルは酒の神渡とは関係ありません。呑んでません。
あと初めて900km越える乗車券買った。

2018年2月19日
・三宮→神戸空港 2609 6:10 神戸空港行き

車窓に見えてきたターミナルの向こうに黒い尾翼。スターフライヤーのチャーターなわけねえしなあ…



スタアラでした。JA711Aはここ1年で3回目のエンカウント。乗るのは初めて。羽田神戸線に重点的に充当されてたりするのか?

月曜の朝一ということもあってか保安検査場は大混雑。買ってきた朝食食べる暇もなく搭乗開始。B7でもほぼ満席だから凄い。

・神戸空港→羽田空港 7:05 JA711A NH412便 羽田空港行き 40A



天気予報では関西は曇り、東日本は1日晴れという予報。
静岡県上空までは雲海だったけどアルプスや富士山が雲の上に顔を出しててギリギリ見えて幸先が良いです。今回は八ヶ岳見るし合わせて富士山も見ておきたかったので。

伊豆大島までは30分ほど。そこから20分かけて君津、鴨川まで大回りして34Lにランディング。
さらに降りてから2タミまで10分ほど走ってぐるっと回ってドアが開いたのは定刻の8:15ギリギリ。人数が多いから降りるのにも時間がかかり、これで荷物預けてたらさらに10分15分かかることに。
それでも飛行時間だけで見ると神戸東京間48分ということでほぼ卯酉東海道。追い風とあってFlightRaderによると最高速度は浜松上空で682kts(GS)。恐ろしく速い。



ちょっと余裕があるので1タミの展望デッキに行ってみます。
遠くには初見のタイの787、カンタスのジャンボ、キャセイやエバーなど。



羽田は787だらけ。ANAのは-8も-9もその辺にゴロゴロ。JALのも1機目撃。数年後には-10やA350もいて新時代の風景になってるでしょう。



長いトリプルセブンもいっぱいいますよぉ。



スズメもいっぱいいますよぉ。いっぱいいちゃダメなのでは…
ここでエサ貰ってるのか寄って来たけど目の前に間髪入れず飛行機が降りてくるので無視してたら諦めてどっか行きました。



Oneworld。後ろのアシアナは尾翼がこっち向くまでフィリピンかと思ってました。

回収の効率はいいけど曇ってるしそろそろ時間が…

・羽田空港国内線ターミナル→品川 5302 8:52 エアポート急行 押上行き
・品川→大崎 サハE231 4627 9:19 外回り
・大崎→新宿 モハE232 7218 9:23 普通 大宮行き


ところでJRの乗車券は都区内発のを買ったので品川から使おうと思ってたんですが、羽田からICで入って品川で乗り換える時に乗り換え改札通ったせいでICの出場処理も乗車券の入場処理もできてないことに気づく。
ICがそのままってのも不味いしなあ…と思ったけどよく分からんので結局新宿でICで一回改札出るという無駄。時間あったら申し出たけど次乗る列車の混雑具合が分からないこともあって早めに並びたいので200円弱をJRに投資。
あれって乗車券の処理どうなってるんだ。京急の出場処理はされてるだろうけどJRの入場処理もされてるだろうし、急いでても一回駅から出るのが正しいんですかね?



気を取り直して改めて紙の乗車券で入場してホームに降りると、既に乗る列車は入線済み。あ、全然自由席並んでないわ…12両中4両自由席だしな。
ということで、中央東線の乗り潰しも兼ねて今回はスーパーあずさで諏訪へ向かいます。車両は最新鋭のE353。351は最後に乗りたかったし、353は快適そうで乗りたかったし、ぶっちゃけどっちでも良かかったけど都合のいい時間の列車は新型だったということで。

・新宿→上諏訪 クモハE353 2 10:00 スーパーあずさ11号 松本行き 3D

八王子を出ると甲府、茅野、上諏訪にしか停まらない速達タイプの列車。塩尻通過する列車なんてあるのか!ちなみに最速達列車は立川も通過するらしくなかなか。
座席の枕はE7系とかと同じ上下するタイプ。頭にフィットするので割と気に入ってます。



食べたかった車内販売の信玄餅アイス。アイスなのに予想以上にきなこ&餅でした。信玄餅は食べた事ないけどこれは美味しい。
全然関係ないけど立川駅のところに線路に向かって「そうだ、TENGAでいこう」って看板が出てたのは笑った。治安が悪すぎる。



立川から先は未乗区間。八王子を出るといきなり山。積雪ももう出てきたし。諏訪雪ない前提で来たけど大丈夫か。



甲府盆地。アルプスの山々には思ったより雪がなくてもう春の雰囲気。雪山が見える街っていいですね。でも新宿出てすぐこの辺の山見えてたし東京は雪山が見える良い街。



車体を傾けながらカーブを駆け抜けるスーパーあずさ。車窓には南アルプスに続いて八ヶ岳も現れて盛り上がってきます。
てか横揺れというかたまに横方向の衝撃があって車掌もこけそうになってたけど、これは車両の特性なのか線路のせいなのか。



茅野を出ると間もなく上諏訪。乗換駅の小淵沢とか塩尻を通過するのに諏訪地域で2駅連続で停まるってのも凄い。
こうやって見たらめちゃくちゃ未来っぽい顔の電車ですね。これがアルプスの麓や諏訪湖畔を駆け抜けてるってのはまた近代化が押し寄せてる感がある。



数年ぶりの諏訪は晴れた昼間なのに気温は2℃と冷え込んでます。朝の東京より寒い。

走ってる電車も変わったけど駅前のビルが丸ごと無くなっててびっくり。何が入ってたかは忘れたけど野菜を屋内で育てるところを展示してたのだけは覚えてます。
調べたら百貨店が入ってたビルと商業施設「スワプラザ」があったらしい。どっちも解体されて今は地元のスーパーとマンションが入るビルを建設中で今年完成予定だとか。上諏訪駅周辺って今スーパーないですからね。出来たら便利だ。



とりあえず昼食。とりあえず蕎麦食べときます。冷たい蕎麦が好きなのでこの時期の諏訪では昼間しか食べれない。
あといつも蕎麦湯の使い方に戸惑ってググる羽目になる。



駅に戻って再び電車で移動。
さっき乗って来た353が折り返してくるので表示が出てたけど新型アピールしてました。そりゃまだ登場して2か月ですからね。でも来月には全部新型になるという恐ろしいほどの置き換えペースの早さ。

・上諏訪→下諏訪 モハ211 12 13:08 普通 松本行き

前来た時に走り回ってた115は既に影も形もなく、影も形もなかった211が走り回ってるという。てか6両も繋いでるって結構長いな。



中学生軍団と一緒に下車。下諏訪駅で途中下車するのは地味に初めて。
駅前の御柱は長野オリンピックの時に建てたらしいです。そんなわけで6年ごとに建て直す本物の御柱よりもずっと古く、貫録付いた見た目になってます。2本しか建ってないし完全にモニュメントとしての存在ですね。



秋宮から攻めます。雪はないけど坂がきついし、たまに凍ってて危険。駅からだとこんなに登らされるとは。



こりゃあ…断層だねぇ…(ブラタモリ)
調べてみると実際に秋宮から春宮に抜けるR142(旧中山道)沿いには断層が走ってるらしく、おかげで駅から秋宮に行くには急坂を登らないといけなくなってるらしいです。その比高は20mほど。
とはいえ、秋宮の前からはこのように下諏訪の街を一望できるのも断層のおかげ。諏訪盆地に湧く温泉も断層のおかげですから、断層が諏訪の街を育んできたんですね(CV:草彅剛)

前置きが長すぎた。それでは早速参拝。



境内の池もほぼ全面凍結。そりゃ諏訪湖みたいな大きな湖が凍るぐらい寒いもの。



秋宮神楽殿。風神録では6面とEXの神奈子のスペカ背景になっています。
ここんとこ諏訪行くからということで久しぶりに風神録やり込んでただけに、これ見れただけでまず感動。神さびた古戦場とかハレケがどこからともなく流れ出します。



参拝。今度は当然本物の御柱が建ってます。知らなかったけど4本の御柱は数字が小さいほど太さ高さが大きいらしいです。ここに来て知ることもいっぱいある。
あと昔来た時は痛絵馬だらけだったのが激減してたという発見。



末社の若宮社。すげえ詰め込まれてる。

建御名方彦神別命はここでは建御名方(お諏訪様)の子供ということになってるけど、建御名方本人とされることもあるらしいです。
あと須波若彦神の「須波」は諏訪のことですよね。蓼科はまんま蓼科高原だし。片倉辺命は片倉館と何か関係あるのかと思ったけど、あっちは建設を提案した人の苗字らしいのであんまり関係なかった。



秋宮を出て歩いてると聞こえてきた轟音の正体はSQ8便(B777-300ER)。
関西から東北方面に飛ぶとちょうど諏訪湖の南側を通過するからバンバン飛行機飛んでくるかと思いきや、割とトラフィックは少なくむしろ仁川→アメリカ大陸の便の航空路になってる模様。



春宮に通じる道は旧街道沿いとあって雰囲気あります。
ところどころ凍った雪はあるけど晴れてるのでそれほど寒くない。



住宅街の中に佇む御作田社。
諏訪大社の末社であり、下社の御作田神事では境内にある神田に稲が植えられ1か月後には収穫を迎えたと伝えられており、諏訪七不思議のひとつに数えられています。今は無理らしいですが。



秋宮を出て25分ほどで春宮。秋宮は来たことがありますが春宮は初めて。
秋宮と春宮に分かれてるのは2月から7月は春宮に、8月から1月は秋宮に祭神が鎮座するから。ついでに言うと建御名方は国譲りの時にタケミカズチに「諏訪から出ないから許してクレメンス」と言ったので10月になっても出雲に行かないため、諏訪では神在月ということになってるらしい。



日の当たらない手水鉢の下がパーフェクトフリーズ。柄杓だって凍ってるわけですよ。水は流れてます。



拝殿。ここも秋宮同様に左右に広がった幣拝殿。諏訪スタイル。



境内には上社の建御名方を祀る上諏訪社。まさか別で祀られてるとは。



そして筒粥神事が行われる筒粥殿。今年は1/15に行われたらしいですが、結果は「三分五厘、特に前半は注意」らしい。不穏。



神符「杉で結ぶ古き縁」の結びの杉。真ん中で別れてるけど根本では1本になってるからってことで結びの杉なんですが、上の方で割れてたらむしろ別れてるのでは…とか思っちゃダメです。
にしてもきれいに二又になってます。成長途中に障害物があって割れたんでしょうか。



境内の子安社には建御名方の母である高志沼河姫(沼河比売)を祀り、お産が楽になるようにと水の通りやすい底抜け柄杓が奉納されてます。
これならお産も航海も安心。



春宮の境内の西側にある川の中州にある浮島社。こんなところにあったら台風来るたびに流されるのでは?と思いますが、どんな洪水でも絶対流されないらしい。不思議不思議。
川もさすがに綺麗でしばし河原で佇みたいところですが、先客のカップルがいたので邪魔しないように撤退してあげました。はい優しいー。



春宮からすぐのところに一昨年出来たおんばしら館よいさ。御柱祭に関する博物館で、木落とし体験装置なんてのもありますが、一人で体験するのは非常に厳しいのでやめときます。

御柱、建てる時は滑車で引き上げるんですね。そりゃそうだ。途中までは人が乗ったまま引き上げるし。

上社の御柱は目処梃子というV字型のスタビライザーみたいな役割の物がついてて、つまり「目処梃子乱舞」なわけですが、上社の物にだけついてるのは要するに通過する道の線形が特に悪い(急カーブが多い)というのが大きな理由らしい。
くるくる回っちゃいますもんね。これは乗り物オタク的に面白ポイント。



ディスカバー・ジャパンのポスターも展示。長野鉄道管理局の文字が光ります。
御柱祭は諏訪の人々にとって6年に一度の正にハレの日。1年前から御柱になる木の伐採などの準備が始まり、当日には街全体が祭で賑わいます。次は2022年なので是非行ってみたいところ。

いよいよ諏訪湖に御神渡りを見に行きたいので、館内で一応確認したら調べてたのとは違う場所がおすすめとのこと。ここは地元の人の言葉を信じてみましょう。



南に歩いていくと出ましたハッピードリンクショップ。山梨と長野を中心に展開してる自販機だけのドライブイン。これでもドライブイン扱い。
自販の割に安い値段で売っています。でもスーパーで買った方が安いので僕はイオンに行きます。

御柱館から南に2kmほど歩くと諏訪湖畔に辿り着きます。湖畔へはバスもないので歩くしかありません。



おお!本当に凍ってますよ。これだけ大きな湖が全面凍結するというのも信じられなかったので、本当に凍ってて納得。
さすがに岸辺はもう溶けて水面が見えてるところもありますが、まだまだほぼ全面凍結。

下諏訪港の向こう側の堤防沿いから氷の割れ目が続いてこちらに近づいてきていました。これが御神渡りか…



赤砂崎公園付近で御神渡りは岸辺に接触。地元の人の情報通りここが一番見やすいです。 膨張した氷が押し寄せて大迫力。今年はこの一之御神渡りがコの字を大きく描き、二之御神渡りと佐久之御神渡りはちょびっとだけで、なんとか御神渡り認定されたと言ったところ。



岡谷市南部へ伸びていく一之御神渡り。まさに神が歩かれた御神渡り。
御神渡りが出現したのが2月初めですから、もう20日近く持ってることに。普段はこんなに長いこと残らないみたいなので見れたのは奇跡的。神懸かってます。ありがとうお諏訪様。



御神渡りを見ることなんてこの先あるか分からないので激写。最盛期よりは小さくなってるとは言いますが十分な迫力。
全く御神渡りを狙わずに計画してこれだけ見れたら御の字ですよ。来て良かった。

しばし御神渡りを眺め、朝からそばとおにぎり2個で動いてて燃料切れ寸前なので下諏訪のイオンで補給。
消費期限今日までのパンが1個50円で売ってました。地方価格なのか激安。まあ普通に翌朝食べましたけどね!

駅まで戻って来て電車で宿のある上諏訪に戻る予定でしたが、駅前のバス停見たらちょうど上諏訪方面行のバスが来るところだったので乗車。コミュニティバスなので電車より安いんです。

・下諏訪駅→上諏訪駅諏訪湖口(西口) 17:05 スワンバス 外回り SUWAガラスの里行き



今回は民宿すわ湖に宿泊。楽天で見たら安い上に評価がやたら高い謎の宿。
外観は普通なのでどんなもんかと思っいましたが、玄関を開けるとこりゃ良い雰囲気。



いい感じのお庭もありますよぉ。飼われてるのか猫が廊下を横切ってったし。



そしてお部屋。トイレと風呂は外と書いてありましたが、実際には暖房便座の綺麗なトイレが玄関のところにあるし、風呂は館内に温泉があるので問題なし。
部屋もエアコンの調子が微妙ということで石油ストーブを置いてくれてました。
これで1泊素泊まり4000円以下はお得だし、そもそも界隈で一番安いのでありがたい。民宿というより旅館の雰囲気です。こりゃ良い。



ちょっと休憩してから晩飯へ。気になってた諏訪名物、みそ天丼食べに駅前の店へ。
「地元の食材をふんだんに使用!」とか書いてあるからさざむしとか蜂の子とか入ってたらどうしようかと思いましたが、幸い川の幸と野菜の天ぷらが乗ってました。

まるごと揚げられた川エビが若干食べにくかったですが、甘辛い味噌だれが掛かってて美味しいです。何より味噌だれというのがさん天の天丼とは一味違って(当然)新鮮です。味OK。



で、結構ボリュームがあって腹が膨れたので腹ごなしにでも…とナイトウォーク。スーパーが近隣にないので食品扱ってそうなドラッグストアに行ってみるも微妙。
しょうがないので高島城に行ってみたらライトアップされてました。公園には入れたのでトイレ借りましたが、なんか時間帯によっては発展してそうでやです。

しかし暗い。周辺は住宅街ということもあって人気はないし、暗いし、道は通行止めだしで着くのに一苦労。
帰りはせっかくなので湖岸を歩こうと思い付いて、途中でメインの道を外れて細い道に入りましたが、川沿いの柵のない土手の道で普通に怖かったです。でも温泉が流れ込んでて硫黄の香りが漂ってたのは観光地っぽくて好き。

そんなわけで、なんとか宿に無事帰って来れたので温泉入って就寝。外の野良猫の声うるさい。
ちなみにこれまた良い雰囲気の一人用露天風呂もあります。灯籠の光で庭に積もった雪見ながら露天風呂とか、雪月桜花の国の脳内イメージ映像まんまじゃないですか。

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