肥薩縦貫紀行

2018年9月6日
朝起きてスマホつける。LINE来る。震度6強!?北海道!?おい来週大丈夫なのか?
そんな心配もそこそこに、目の前の問題として最寄駅から今日はちゃんと電車が動いてるのかという懸念。一昨日の台風21号の被害で関西の鉄道各線は昨日もほとんどまともに走ってなかった。

・三宮→大阪空港国際北ターミナル 6:20 大阪国際空港交通 大阪国際港北ターミナル行き

なんとか電車は平常通り動いてたけど、次なる懸念は伊丹空港の混雑。関空が完全に使用不能となっているので伊丹に振り替えられた客は多いはず。
となるとただでさえ混む朝の伊丹が激混みになってることが予想される。よってさっさとリムジンに乗って向かう。快適快適。



はいもう激混みですね。地震で北海道方面の便が欠航したからか?と思ったけど、それ以上にやっぱり国際線の乗り継ぎの待機列がターミナルから外まで伸びてる状況。
保安検査も制限掛かるほど混んでるけどスマートレーンの導入のおかげか流れは良く、結果的には割と余裕だった。



搭乗口付近で地震のニュース見て待つ。てかマジでヤバいって北海道。この時点で新千歳と関空という日本の玄関口二つが使用不能だった。

・伊丹空港→福岡空港 8:00 JA605A ANA421便 福岡空港行き 34K

見覚えあるレジだと思ったらこれ成田でオーバーランしたやつだ。よく考えたら一昨年仙台行ったときもこの機体。なんで滅多に乗らない767でダブるんだ。



六甲アイランドの岸壁に置かれてるコンテナとか車が明らかに不揃いに並んで内陸側に不自然に寄せられてる。
おそらく一昨日の台風の高潮で流されたものだと思われる。第二室戸台風を越える高潮だったもんねえ。むしろあれだけの被害で収まってるのが凄いとも思う。



台風は過ぎたのに曇りがち。ふわふわの雲の上を飛んでいく。
今日は雲が高い。上空はもう秋だな。コンソメスープうまうま。乱気流でぶっ掛ったら最悪なのでさっさと飲む。



周防大島。角島も見えたけどこの辺は本当に海が鮮やかな水色になってる。
あの辺は浅瀬になってるのか?晴れた日に行ったら沖縄と見まごうような風景が広がってるらしいので行ってみたい場所の一つ。

飛行機の利用客としては初めて来た福岡空港は旧ターミナルの解体中でごちゃごちゃしててよく分からん。
しかも上空でホールド食らったせいで遅れ、この後バスで宇美に出て香椎線乗り潰しに行く予定で切符買ってたけど、22分に着陸して25分のバスに乗れるわけもなく断念。

・福岡空港→天神 1104 9:37 普通 姪浜行き

中途半端に時間ができたので、とりあえず天神に出てらしんばん開店凸してブックオフ行く。他にやることないのかと言われても1時間半じゃ大したことはできない。

・天神→博多 1104 10:22 普通 福岡空港行き

適当に乗ったらさっきと同じハコ。今回はJRの車見なかったなあ。305系とか来ないかと思ったけど。



駅で乗車券の区間変更して貰って、弁当なんかを物色してからホームへ。山陽新幹線は滅多に乗らないけど発車メロディが999になって旅情を掻き立てられるようになったのでなかなか良いと思う。新幹線の発車メロディとしては飯山駅の「ふるさと」並みに気に入ってる。卯酉新幹線?あれはなんか前衛的過ぎる気がする。でも未来だし。てかメロディの後にベル鳴ってるな。じゃあベルの前のあれは発車メロディじゃなくて曲の一部だったのか?分からんなあ…架空の新幹線だから。

・博多→新八代 788 7012 11:01 さくら407号 鹿児島中央行き 13E

これはあれだね、自由席は普通のN700と一緒だね…しかも7000番台は西車だから発車メロディまでただのN700だった。
教訓:九州新幹線乗るならケチらず指定取りましょう。



美味いかしわめし食べる。かしわめし食ってたらあっという間に熊本に着く。鶏肉の事かしわって呼ぶのって関西だけかと思ってた。
新下関発のさくらなので空いてる。なんかだんだん晴れてきたし昼下がりの新幹線って感じがして楽しくなってきた。こういう時間帯に新幹線に乗ることがあんまりないし。



車窓は山間部から山地、熊本を出ると海と変化に富んでる。
前乗ったとき(当時小学生)は反対側に座ってたから気付かなかったけど九州新幹線はなかなか海が美しい路線。新幹線から海が見えるのはロマンなんだよ。53ミニッツなんだよ。東海道新幹線は海側が3列だからあんまり乗らないし。



熊本から15分ほどで新八代到着。部分開通の時は右側のホームからリレーつばめに乗り換えたけど今は保線用になってて柵が設けられてるので乗降はできない。
スペース的には2面4線にできるので新函館的な感じ。



駅前のバスターミナルから出る宮崎行きのB&Sみやざき号に乗り換える。
バスは新幹線に接続したダイヤが組まれており、車両も800系と同じデザインで、宮崎という新幹線沿線から大きく離れた地域にもその恩恵を行き渡らせようというJRの意思が感じられる。東北にはE5系のデザインのバスがいるけどあれはそういうのではないと思う。H5系みたいな路面電車はもっと違う。

・新八代駅前→人吉IC 11:58 B&Sみやざき407号 宮崎行き 9A



車内も水戸岡デザイン。座った9Aのすぐ後ろがトイレなんだけど、そのせいでエアコンの送風口が頭上にない。暑い…
足元も広めなので快適。予約した時点ではほぼ満席とのことだったけど新八代出た時点では空席が目立つ。どうやら途中からの利用も結構あるらしい。

B&S、3日前までに買えば割引が効いて博多~宮崎が往復1万円と破格。日豊本線経由だと乗車券だけで7000円越えるわけだし、このルートなら3時間ちょっとで着くことを考えると安価で早い九州の高速バスにも十分対抗できるコスパの良さだな。



かなり深い谷をいくつもぶち抜いて人吉ICに到着。朝早かったので途中の記憶が若干びみょい。最近出掛けたらそんなんばっかり。
高速の途中なので道路上に小さいバス停があるのかと思ったら思いのほか立派だった。綺麗なトイレまで付いてる。
駅まで行くバスもその横の側道から発着する。しかも10分ほどの乗り継ぎというかなりスムーズな乗換。しかも観光地巡回バス的な雰囲気してる割にIC使える。すげえぞ九州の公共交通網。

・人吉IC乗降口→人吉駅前 12:45 じゅぐりっと号 人吉駅前行き

ボンネット風の洒落たバスに乗客は他に居ない。途中で地元のおばあちゃんが乗ってくるぐらい。生活路線としても機能してるようだ。



窓口で乗車券を買って入るとちょうどかわせみ やませみが入線してD&S列車並び。B&S(Bus&Shinkansen)とかD&S(Design&Story)とか似たような名前ばっかりでごちゃごちゃしてくる。
これって或る列車みたいに方向幕の上にヘッドライトが増設されてんのかと思ってたけど、よく見たらカワセミとヤマセミのオブジェだった。



くま川鉄道の車庫もある。止まってるのは観光列車の車両かと思ったら一般車で、それぞれに春夏秋冬+白秋の五季それぞれのデザインがされてるらしい。お、雨降って来た。
山奥までの盲腸線とあってなかなか乗る機会がない。次来た時こそ乗ってみよう。いつになるだろう?

・人吉→吉松 キハ47 8159 13:22 いさぶろう3号 吉松行き

さて、今日は南へ向かいます。肥薩線は乗ったことあるし、前回はしんぺいで吉松から人吉まで上って来た。
今回は逆ルートを辿ってどこに行こう?



先頭にカメラもついてる。これでスイッチバックやループ線を堪能できるという趣向なんだろう。でも前面展望じゃループ線って分からないな。
それにしても空いてる。前乗ったときは冬だけど割と混んでたのに、合計で10人ぐらいしか乗ってないから片側の車両の一角にしかない自由席でも余裕。



人吉を出て最初の停車駅である大畑駅。言わずと知れたスイッチバックとループ線の合わさった模型のような駅。
列車は人吉から吉松まで1時間半近くかけて走る。その間の駅は大畑、矢岳、真幸の3駅だけ。九州って山間でもある程度人が住んでる印象があるんだけど沿線はほとんど人家のない山間部が続く。



峠を登り標高500mを越える矢岳駅。JR九州の駅の中では最も高い所にあり、周辺は難所の矢岳越えとして知られる。
木造駅舎は立派なんだけど1日3本しか列車が来ないので中はがらんとしてて静か。



それでも駅前には集落がある。山に抱かれた静かな里といった雰囲気。
秘境駅なんだけど周辺にはちゃんと人の営みがあるんだ。



木造駅舎に止まる気動車。どうせ乗客は少ないのでアテンダントさんが全員の乗車を確認してから発車させてくれるので置いて行かれはしない。
にしてもここで降りる観光客ってどれぐらいいるんだろうか?折り返しの列車に乗れば1時間半ぐらい待てば人吉に戻れるし、周辺観光は不可能ではない。SLが置いてあるほかは自販機すらあるか怪しいけど。



矢岳を出ると日本三大車窓の矢岳越え。他の二つは?というと姨捨と旧狩勝峠らしい。後者は50年以上前に線路が付け替えられて消滅し、新線も廃止が決まってしまった。
2回目だけど今回も天気は微妙。まあ前は雨降ってたしそれよりはマシ。

そして眼下に見える一帯が所謂加久藤盆地、小説『死都日本』でも登場する加久藤カルデラによって作られた盆地である。晴れてれば目の前に霧島連山が広がる。
肥薩線はカルデラの外輪山の急な崖を下っていく。



真幸駅。駅名とは対照に、終戦直後に勾配を登りきれなかった列車が退行して多くの復員軍人が轢かれる事故や大規模な土石流が起きた歴史を持つ土地。
いさぶろう・しんぺいの到着時には地元の人が特産品のサービスをしに来てくれるけど一日の乗降者数自体ははずっと1~2人という秘境駅。
でも人吉~吉松って全部そんな感じでしょう?1日3往復しか列車来ないし、うち2往復は観光列車だし。ほとんど観光列車のために維持してる路線みたいなもんなんじゃ?



真幸駅を過ぎると一気にスピードを上げて吉松駅に着く。
肥薩線もそうなんだけど、ここから分岐する吉都線も相当本数が少ない。近年本数がどんどん減らされ、日によっては昼間に7時間近く列車が来ない時間帯もある。そうでもなくてもうちの最寄り駅で終電逃がして始発待つのよりも待ち時間が長い時間帯があるのに。



加久藤盆地の西の端にある吉松駅。とはいえ周辺は意外と開けてる。
この先は吉都線は1時間後、肥薩線隼人方面は2時間後と接続が良くない。あれ?でも時刻表にははやとの風に接続してることになってる。でも車内ではそういう案内だったし、実際はやとの風はいなかった気がするしよく分からん。



駅前のSLなぞ見て時間潰す。C55はあんまり見ない機関車。末期は肥薩線や吉都線を走ってた。
2両の気動車が走るだけのローカル線と化した今の吉都線の姿からは想像できない。



珍しくちゃんと解説が書かれてる。あと回ります。詳しい人と来るとかなり遊べると思うけど詳しくないので遊びません。

前来た時は見なかったけどC55の横には小さな鉄道資料館がある。
開業時は鹿児島本線のターミナルだった吉松駅の歴史や鹿児島にいくつもあったローカル線の話とか…伊佐方面には2本の路線が伸びてて、大隅半島も鉄道が張り巡らされてて…でも北海道同様に民営化前後までは割と残ってたってのも驚く。



ちょっと駅の周りうろついたけど小さな温泉があるだけなので駅の待合室で過ごす。温泉入る準備は持ってない。
他の乗客と共に携帯弄りながら来週北海道どうするんだとかLINEしてたら乗る列車が来たので移る。現代人~~~

・吉松→都城 キハ147 105 15:58 普通 都城行き

誰も待合室から出てこない。いさぶろうの車内に乗り鉄っぽい人は数人見受けられたけど吉都線に乗り換える客は皆無だった。



少ない乗客を乗せて盆地を行く。えびの高原線なんて名前が付けられてるけど高原っぽい雰囲気ではない。これで霧島が見えたら景色はよかったんだけど。
死都日本では16:19に大浪池付近から噴火が始まるので、この列車はえびの上江を発車した直後に被災することになる。北西方向に爆風が流れるのでこの辺り一帯も噴火直後に激しい爆風で一瞬にして…とか考えながら車窓を眺めてるとゾワゾワしてくる。それが南九州。



めんべえ齧ってるうちに田んぼと森を繰り返しながら都城の市街地が近づいてくる。新八代を出て以来の街。
てかなんか晴れてきたぞ?明後日までずっと雨予報だったけど今日はそんなに降ってなかったし、なんとか持たねえかなあ…



夕闇迫る都城に到着。吉都線を完乗した。多分もう乗りに来ることはなさそうだし、この辺りに列車で来てもそもそも吉都線自体が無くなってそうなので一生に一度モノ。
都城はそこそこ都会だけどどことなく南国っぽい雰囲気が漂う。なんか沖縄っぽい。行った事ないけどイメージ沖縄。



駅前のホテルにチェックイン。リニューアル直後でめちゃくちゃ綺麗だった。安いし近くにイオンあるしついでに真下は線路なので通過する電車の屋根の資料も撮り放題。
あと勝手にテレビ点いてBGM流れ出してビビった。センサー式らしい。なんとハイテク。



快適なのでダラダラしてたけど日が暮れてしまうので動きだす。
駅で明日の切符を買って夕食に。さっき車内からジョイフルが見えたので行ってみる。九州来たらやっぱりジョイフル行かないと。
リニューアルされたしんけんハンバーグ食べる。美味い。ソースかけ放題なのが嬉しいし、スープバーも嬉しい。

店を出て線路脇歩いてたらDLの音がするからDE10でも来るのか?と思ったらななつぼし来た。なんという引きの良さ。2年前に別府行ったときもなんか偶然見かけたけどこれそんなにバンバン走ってないんじゃないの?


イオンで湾岸やって南九州な飲み物を購入。
スコールは関西でも売ってるけどヨーグルッペは九州でしか見た事ない。しかも普通のやつ以外にも色々味のバリエーションがあるのは初めて知った。美味い。

今朝早かったし、明日も早いので早々と就寝。

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